金山駅徒歩3分で通える歯医者「かなやま歯科」院長の宮園です。
今回は「親知らず」をテーマにお話しようと思います。
親知らずってなに?
親知らずとは、「智歯」とも呼ばれ、一番最後(標準的には18〜20歳頃)に生えてくる歯です。
しかし、現代人のあごの骨格は、食事が柔らかくなるにつれスリム化の傾向にあり、生えてくるスペースが少ないため、親知らずは斜めや水平に骨の中に埋まっていることが多いです。
その場合、様々なトラブルの原因になりかねないので、歯科医師は主に2つの理由から、痛みなどの症状がなくても早めの抜歯をすすめます。
もちろん、親知らずが上下の歯が噛み合っているなら、抜く必要がない場合もあります。
親知らずの抜歯を進める理由
大きく分けて2つの理由から歯科医師は抜歯をおすすめします
- 前方の歯を虫歯にさせない
- 周囲の歯を歯周病から守る
それでは詳しくご説明致します。
前方の歯を虫歯にさせない
親知らずを抜歯する最も大きな理由は、親知らずのせいで前方の大事な歯が虫歯になり、失われるのを防ぐためです。
親知らずが埋まって前方の歯に引っかかっている場合、その間に食片や汚れがたまり虫歯になりやすくなります。
親知らずの前方の歯のむし歯は、歯の根の深い位置にできるため治療が困難なので、痛くなれば抜くしかなくなるのです。
親知らずを早めに抜歯しておけば、これを予防できます。
周囲の歯を歯周病から守る
親知らずは顔を部分的に出して半分埋まっている状態が多いのですが、そうすると歯周ポケットができて、周囲の歯ぐきや骨に炎症が起きやすくなります。
歯周ポケットに汚れがたまって感染すると、歯周炎を起こして歯ぐきに痛みや腫れが出て、ひどいときは顔まで腫れることもあります。
これは抗生剤を服用することでおさまりますが、症状を繰り返すことが多くなり、抜歯する以外に根本的な治療法はありません。
また、炎症が長期間に及ぶと周囲の骨を溶かし、前方の根に、歯周炎などの悪影響を及ぼすこともあります。
また、まれですが、親知らずにより、前方の歯が外側や内側に倒れて歯並びや噛み合わせが悪くなることもあります。
かなやま歯科での親知らずの抜歯
かなやま歯科では、口腔外科の先生に来ていただき、院内でなるべく完結するように努めております。
もし、かなやま歯科で抜歯が厳しいと判断した場合、お近くの大学病院への紹介状を書かせていただく場合がございます。
まとめ
歯科医院で親知らずの抜歯をすすめられた時、
「痛くもないのになぜ抜かなければならないの?」
と、疑問に思うのも無理ないでしょう。
でも歯科医師は、レントゲン写真を見て
「親知らずが埋まって前方の歯に引っかかっている。早めに抜いてしまわないと将来この患者さんの大事な前方の歯が失われてしまう」
と言ったことを考え、手遅れになる前に抜歯を提案しているのです。
尚、親知らずの抜歯は、術式が困難であったり、術後の痛みや腫れが酷くなることが予想されるので、口腔外科の研修を積んだ歯科医院を受診されるか、病院の口腔外科を紹介してもらうのが望ましいでしょう。
抜歯の必要性と、治療で予期されることを納得できるまで説明を受けた上でお決めください。